らくがき帳

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2011年7月2日・はやぶさ帰還カプセル編

 

ISAS(現在は他の研究機関と統合してJAXAへ)が、2003年5月9日に打ち上げを行った、小惑星探査機「はやぶさ」。

日本の技術力を結集したこの無人探査機は、「イトカワ」と名づけられた太陽系の小惑星を調査した後、イトカワの表面の岩石をカプセルに採取して再び地球に戻ってくるという、世界初となる難しいミッションを行う事となったのです。

そして打ち上げから2年4ヶ月、距離にして20億kmという長い長い旅を経て無事にイトカワに接近し、イトカワの科学観測を行ったはやぶさ。

ところが、3基あったリアクションホイールのうち2基が故障し、続いて探査ロボット「ミネルバ」の投下失敗、さらにサンプル採取のための「タッチダウン」に失敗して、はやぶさ本体がイトカワの上で横倒しになってしまい、小惑星表面の過酷な環境下に30分もさらされるという予想外の事態が次々発生。

なんとかイトカワから離陸できたものの、燃料漏れを起こしてしまい、姿勢制御装置は故障。はやぶさの姿勢を立て直さないと地球に帰還できないため、 大事な燃料である「キセノンガス」を噴射して、姿勢制御に成功した…と思ったのもつかの間、突然機体はコマのようにくるくると回転を始め、ついには完全に通信が途絶えて、行方がわからなくなってしまうという、 もはや絶望的と言える状況に陥ってしまったのです。

そして、それから7週間後、はやぶさからの通信がかろうじて回復。燃料はだいぶ減り、あちこちの部品に不具合が発生してはいるものの、このまま慎重に行けば無事に地球まで戻ってこられる……はずが、今度はイオンエンジンの部品が次々と故障し、4基中3基が故障、残る1基も推進力が低下し、このままでは地球帰還は無理という状況に。

しかし、「こんなこともあろうかと!」とでも言うかのように、設計時の厳しい重量制限下の中でも 「あらかじめ積んであった機材」 「あらかじめ想定して設計しておいた構造」 「あらかじめ組み込んでおいた回路」が神業のように役に立ち、壊れていたエンジン2基の部品を繋ぎ合わせて、なんとか1基分の出力を得る事に成功。

こうして奇跡的に地球まで戻ってきたはやぶさは、イトカワのサンプルが入ったカプセルを切り離して地球に投下。本体は大気圏に突入して、流星のように美しく輝きながら燃え尽き、 無事にその役目を終えたのでした…。

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そんな感動的なエピソードを持つ「はやぶさ」のカプセルが、秋田県能代市で一般公開されると聞いては、黙っているわけにはまいりますまい!見に行かなければ!それはぜひとも見に行かなければっ!(←謎決意)

 

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