さらに先へと進むと足元は岩場になり、川に沿って細い道が続いています。
上流に向かって進んでいくと、だんだん風景が渓谷っぽくなってきました。滝はまだ見えませんが、近づいている予感がしますよ!
川底や川辺には「甌穴(おうけつ)」と呼ばれる、大きな穴がいくつも開いています。中には底が見えないほど深い物もあるので、もし足を滑らせて落ちたら…と思うとちょっと怖いですね。
そしてさらに上流に向かうと……見えてきました!あれが『桃洞滝』ですよ!!
岩肌に沿って、水が勢いよく流れ落ちています!上流から流れてきた水は一旦滝の上で左右に広がり、それから滝つぼにぽっかりと開いた穴に向かって、また一点に集まるという不思議な構造ですね。
ちなみにこの滝は、形がアレな感じでソレに似ていることで非常に有名なのですが、とりあえずその事は置いておくとして(謎汗)
サラサラと流れ続ける水はすごく冷たいし、水しぶきのせいか、あたりの空気がひんやりしていて、すごく気持ちがいいですね。ここまで1時間ちょっとかかりましたが、その苦労が報われた瞬間でもあります。自然ってすばらしい。
しばし滝の前で、道の駅で買っておいたお茶を飲んだり、川の中を泳ぐ魚を眺めたりしていたのですが、ふと滝の右側の岸壁に目をやったら、岩を削って作られたような「足場」を発見。 しかもそれが、滝の上流に向かってずっと続いていますよ。
もうちょっと滝に近づいてみたい!と思い、好奇心からその足場を登ってみたのですが、「登る」よりも「降りる」方がずっと大変なのだと気がついたのは、ずっと上の方まで登ってしまった後でした。(←大バカ)
あわてて引き返したものの、足場は岩がほんの少しへこんでいる程度で非常に心もとないし、下を見れば目がくらむような高さ。おまけにところどころで水が湧いていて、 気を抜くと足が滑りそうになります。
もしもここで足を滑らせて落ちたら、硬い岩の上にまっ逆さまですよ! 冗談抜きで命の危険を感じながら 「高い木に登ったのはいいけれど、降りられなくなった猫」のごとく、半泣き&へっぴり腰で降りる羽目になりました(涙)
それでもなんとか無事に地面に降りられて一安心。平らな地面がこれほどありがたいだなんて思わなかったよ…。万が一ケガをしても人は通らないし、携帯も圏外だから助けも呼べない。 命があって本当によかった…!!神様ありがとう!!
もう無茶なことはするまい、と固く心に誓った2008年の秋(謎)
ちなみに後で調べたところ、あの足場は、沢登りをする人たちが、さらにこの滝の上流にある 「中ノ滝」や「男滝」を見に行くために使う足場だということが判明。 そこを素人が登るのは無謀極まりなかったですよ。猛反省。
そんな危険と引き換えに、私が撮影した写真がこちら。これは滝を真横から見たところです。
滝の真上から見下ろしたものがこちら。かなりの高さがありますよ。
上流を見上げるとこんな感じ。沢登りをする人は、水の中を進んだりしながら、ここよりもさらに2kmも上流に行くというのだから、すごいとしか言いようがないですな。
滝の上の岩の間に 小さな植物がポツンと生えていました。こんなに厳しい環境なのに、懸命に生きようとしていますよ。思わず、頑張れとエールを送ってみたり。
帰り道は写真も撮らずにひたすら歩いたためか、行きよりも早く駐車場にたどり着きました。
私は片道1時間程度かかりましたが、山歩きに慣れている人はもう少し早く着くだろうし、写真を撮ったりブナ林を満喫したりしながら歩きたい人は、もう少し時間がかかるのではないかと思います。
あと、蚊が結構いるので 虫よけスプレーを使うことをおすすめしますよ。
何はともあれ、そんな感じで 桃洞滝を満喫した一日でした♪