らくがき帳

←前のページへ ・ 次のページへ→

 

そんなわけで車を走らせ、能代市にやってきました。

今回の「はやぶさ 帰還カプセル特別展示inのしろ」は、開催会場が4会場に分かれていて、それぞれの場所で異なる展示やイベントが行われています。どの会場も入場無料で、自由に見て回ることができますよ。

ちなみに各会場は離れていて、徒歩での移動は無理なので、無料のシャトルバスで会場間を移動する形になります。

まずはとにかくメインのカプセルを見なければ!というわけで、第3会場の「能代エナジアムパーク」に車を停めて、そこからシャトルバスで第1会場の「総合体育館」に移動。

受付でパンフレットと丸い形のミニうちわをもらいました。うちわはプラスチック製で、はやぶさの絵が描かれていますよ。

会場内に入ると、そこには長い行列が!順路に沿って進むとまず見えてくるのは、秋田大学の学生たちが研究&自主制作しているロケットです。

長さ2メートルほどなので、シンプルな構造なのかと思いきや、ロケットの中にはハイブリッドロケットエンジンや計測機器、模擬人工衛星などが組み込まれていて、高度300~400メートルまで到達できる機能があるそうですよ。秋大生の技術力恐るべし。

さらに先へと進むと、「はやぶさ君の冒険日誌」という名の、はやぶさ打ち上げから帰還までの軌跡を、絵日記風に書き上げたものが展示されていました。 これはJAXAのサイトでも読むことができる模様です。

それらを読みながら更に先へと進んでいくと、何やら少し溶けて黒っぽく変色した、金属片のような物が置かれておりました。

これは「はやぶさ」のカプセルではなく、2002年に打ち上げられて2003年に大気圏に再突入した 「USERS」のカプセルの最先端部だそうです。

はやぶさの時は秒速12km(時速43,200km)で大気圏再突入し、1万度を超える超高温にカプセルがさらされたとのこと。大気圏突入時の空力加熱もすさまじいですが、それに耐えるカプセルはもっとすごいですな。改めて感動です。

-----------------

さらに先へと進んでいくと、はやぶさ帰還カプセルの展示室があり、ヒートシールドやインスツルメントモジュール、パラシュートなどの カプセルの部品が展示されておりました。 前面ヒートシールドや一部の部品はレプリカですが、その他の部品は宇宙から帰還した本物ですよ!

残念ながら展示室内は写真撮影禁止なので、JAXAのサイト内のカプセルに関するページを貼ったり、パンフレットの一部をご紹介程度にさせていただく感じで。

カプセル全体図はかまど時代のお釜というか、上をちょっと切った碁石っぽい形をしていますね。UFOにもちょっと似ているかも(笑)

前述の通り、大気圏再突入の際には1万度を超える超高温になりますが、このカプセルに施された高度な耐熱技術のおかげで、カプセル表面は3,000度、カプセル内部はなんと50度以下に保たれるのだとか。

係員の人の話によると、カプセル内部には国番号や電話番号が書かれていて、万が一拾われても持ち主がわかるようになっているそうです。なるほど。

ちなみにこのカプセル、意外とコンパクトサイズなんですね。てっきり直径1メートルぐらいあるものなのかと思っていたら、実際は直径40センチ、重さ17kgほどなのだそうです。

そもそも小惑星イトカワ自体が、直径300m、長さ500mという、ちょうど大型タンカーほどのサイズなのにもびっくりですよ。こちらもてっきり「月ぐらいの大きさがある惑星」だと思っていました。思い込みというのは恐ろしい(汗)

はやぶさの衛星本体も1m×1.6m×1.1mほどのサイズですが、そんな中に様々な機材や技術をぎゅっと詰め込んで、総距離60億kmという途方もない距離を旅したのだと思うと、なんだかとても感慨深いです。

小さな機体で大きな偉業を成し遂げた「はやぶさ」と、それを支えた日本の技術者たちは、まさに日本の誇りですよ。素晴らしい。

 

←前のページへ ・ 次のページへ→