らくがき帳

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そんな穏やかな雰囲気の手這坂ですけれど、環境が不便であることや、老朽化した家の修繕・維持にお金がかかることもあって、住んでいた人たちが次々と引っ越ししていき、 実は平成12年には完全な無人集落になってしまいました。

人が住まなくなると、あっという間に家屋は傷み、そのまま朽ちていくかと思われたこの集落なのですが…。

茅葺き屋根の集落がそっくりそのまま残っているこの場所を、なんとかして残したいという人たちの働きにより、腐った床板や柱の修繕や周辺の草刈り等が行われるようになり。

そして「手這坂活用研究会」というボランティア団体が発足し、彼らに賛同する協力者も続々と現れて、屋根の葺き替え、桃の木や果樹木の植樹、田植え、蛍の保護等々さまざまな活動が行われ、手這坂は少しずつその姿をよみがえらせていったのです。

途中、手這坂活用研究会の募金箱が設置されていたので、微力ながら協力させていただきました。管理・維持はかなり大変な作業だと思いますが、この集落をなんとか後世に残していただきたいと思う次第であり。

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そんなこんなであたりを散策していたのですけれど、かやぶきの家に住んでいたことなんてないのに、集落の中を歩いているだけで すごく懐かしい気持ちになるのはなぜだろうか…。 鳥の鳴き声や蛙の鳴き声がまた、良い雰囲気をかもし出しています。

草に埋もれる、青と白のタイルが貼られた何か。

そういえば、実家の裏庭にある洗い場が、ちょうどこんな模様だった気がしますよ。…いや、地震の前に住んでいた家の台所だったか?? (←そんなのどうでもいいというツッコミは、なしの方向性で)

水の音に誘われて歩いていくと、そこには川がありました。見ているだけでも涼しげだし、夏にはここにホタルが飛び交うわけですな。その昔はきっと、この川の水を生活用水にしたり、 田畑に運んだりしていたに違いない。

こんな場所で暮らせたらどんなに良いだろうか…と夢見ながら、何気なく携帯電話の液晶表示を見たら、思いっきり圏外だったので 一気に現実に引き戻されてみたり。 た、確かにこれは暮らしづらい環境だ(汗)

そもそも、私の実家もかなり田舎方面にあるので、田舎暮らしをしたいのならば実家に帰ればいいという説もあり。…いや、さすがに普通の民家だし、ここまで自然に満ち溢れてはいないのですけれども(謎)

 

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