ロープの終点部分には1個のカゴがぶら下がっていて、その横には木の板とぶら下げられたハンマーが。 横の看板には「向かいの茶店に、赤い旗が出た時は、ダンゴが売り切れです」と書かれていました。
カゴの中をのぞきこむと、「代金を小さいカゴにいれて木板をたたいて下さい」と書かれています。
指示通り、代金の400円を小さなカゴの中に入れて、ハンマーで木板を叩いてみることに。 「コーン、コーン」と、かなりいい音があたりに響いたと思ったら…。
カゴがするするするーっと動き、川の向こうへと渡っていくではないですか!
なんと、川の向こうにあるだんご屋さんのおじちゃんが、人力でカゴつきのロープを引っ張っているのですよ! 年季が入っているだけあって、そのロープさばきはかなり軽快です。お見事!
しばしの後、おじちゃんがカゴの中に商品を入れたかと思うと、今度はカゴがするするーっと戻ってきました。 上りに比べて、下りはスピードが格段に速い!
勢いよく滑り降りてきたカゴは、到着直前でスピードがゆるみます。 おじちゃんが巧みにロープを操作しているのか、それとも滑車自体にそういう仕掛けがあるのかはわかりませんが、そのおかげでカゴは激突せずに、無事にこちら岸へたどり着きましたよ。
カゴの中には、だんご1箱と お茶の入った紙コップが入っていました。ありがたや。
………って、お茶の入った紙コップ!? さっきあれだけのスピードでカゴが滑り降りて来て、しかも直前でブレーキをかけていたというのに、中のお茶は一滴もこぼれていませんよ!
もちろんこの紙コップは、だんごの箱の上に無造作に置かれているだけで、固定する物やふたなんかは一切ついていません。
一体どういうことだこれは!?と驚いたのですが、冷静に考えれば、このカゴは振り子の原理を利用しているので、カゴが動きまくってもお茶の水面には影響がないのですよ。 お茶がこぼれないのは物理的に当たり前の現象なのですね。 でも目の前で見るとやはりおどろいてしまいます(笑)
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郭公だんごのカゴのそばには観光客がたくさんいて、木板がコンコンと叩かれるたびに、カゴは川の上を行ったり来たりしておりました。
その様子をしばらく眺めていて気がついたのですが、ついてくるお茶の数は「だんごの箱の数」と同じではなくて、「そのだんごを買ったグループの人数」と同じ数だけついてきているのですよ。
カゴにお金を入れて木板を叩く人の近くには、もちろんその同行者が立っていますが、横で見ているだけの人、前に出て写真を撮っている人等々、たくさんの観光客が入り乱れているので、横で見ていてもどこからどこまでが1グループなのかよくわからない状況だというのに、戻ってきたカゴの中にはちゃんと的確な数のお茶がっ。
だんご屋の人は常に窓際に立っているわけではなく、板の音が聞こえると奥から現われる感じなので、観光客の様子を常に観察しているわけでもなさそうだし…。 不思議でしょうがないですよ。もしやエスパーなのか(違)
そしてこちらがそのおだんご。 あんこ、ごま、みたらしが1本ずつ入っており、1串には5個のだんごが刺さっています。もちもちしていて柔らかくて美味しいですな。
ちなみにこのだんごには 食品添加物や合成保存料を使っていないので、日持ちしないそうです。 時間がたつとかたくなってしまうので、5時間以内に食べるのがいいそうですよ。